スポーツトレーナー資格は大学や専門学校から目指そう

メディカルフィットネスとは

スポーツトレーナーになるために最も一般的で、かつ最適な手段が、大学・短期大学(短大)・専門学校で、スポーツ科学や医療関連を学べる学校・学科に入学して学ぶ方法があります。
日本ではスポーツトレーナーには必要な資格は無いのですが、スポーツトレーナーとして実際に働きたいのであれば、取得しておくべき資格はいくつか存在します。
それらの多くは、大学などで学ぶか、指定された養成所などで定められた既刊講習と単位をを取る必要があるため、若い学生のうちに取得しておくことが望ましいです。

スポーツトレーナー資格を取得するための流れ

日本でスポーツトレーナーになるためのルートは主に2つ。

1つ目は、医療系の専門学校や大学の体育系学部で学んだ後に、日本体育協会の「アスレティックトレーナー資格」やジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会(JATAC)の「アスレチック・トレーナー資格」を取得してスポーツトレーナーを目指す方法。

2つ目は、柔道整復師、はり師、きゅう師、あん摩指圧マッサージ師、理学療法士を養成する専門学校を卒業して、それらの国家資格を取得する方法です。

しかしいずれの場合も、資格をとればすぐスポーツトレーナーになれるかというと、そうでもありません。
プロスポーツチームや、実業団チームに所属するスタッフとしてのスポーツトレーナーの公募はほぼ無く、コネなどで紹介されるのがほとんどです。
実績や人脈がなければ新たに就職するのは非常に狭き門となっています。

学生や社会人のチームなどでは、専属スタッフを置かずにスポーツジムなどの施設からスポーツトレーナーを派遣してもらっているところが多いです。
まずはスポーツジムや接骨院、整体院などに就職して経験を積み、そこから各チームへ派遣されてスポーツトレーナーとしての腕を磨いていくことが国内では現実的といえます。

スポーツトレーナーに必要な資格

日本では必須資格はありませんが、民間資格がいくつかあります。
必須では無くとも、これらの資格を持っていることは、優れたスポーツトレーナーである証明になります。

公認アスレティックトレーナー(JASA-AT)

公益財団法人 日本スポーツ協会が認定する、メディカル・コンディショニング資格です。
競技者の健康管理、傷害予防、スポーツ外傷・障がいの救急処置、アスレティックリハビリテーションおよびトレーニング、コンディショニングに当たる専門家の育成を目的としています。
現役スポーツトレーナーを主な対象とした講習会・検定試験(理論試験、実技試験)があるほか、講習会と同じカリキュラムを履修することができる承認校(大学・専門学校)で学ぶことで、講習・検定試験の一部またはすべてが免除されるシステムがあります。

認定アスレチック・トレーナー(JATAC-ATC)

特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会が認定する資格。
以下の資格要件を満たし、正会員登録をすることで取得することができます。

1.同協会の講習会でスポーツ科学分野の単位を取得かつ、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師、理学療法士、作業療法士などの資格をもっていること
2.NATA認定トレーナー、または日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格をもっていること
3.2年制以上の専門学校、大学または大学院においてスポーツ科学系のコースを卒業し、本協会が認定する臨床医学系および、スポーツ科学分野の単位を取得していること

そのほかにあると便利な資格

医療系国家資格

選手の怪我の予防・応急処置、その後のケア、リハビリ指導を行うこともあるスポーツトレーナーの中には、以下のような医療系国家資格を取得している人も多くいます。
医師などに頼らなくても現場である程度の処置を行うことができるうえ、監督や選手の信頼も得やすくなるという強みがあります。

柔道整復師

打撲・捻挫・脱臼や骨折の回復を目的とした処置を行う、柔道整復師として働くために必要な国家資格。
高校卒業後、国が指定した学校か養成施設に入学し、3年以上専門知識や技能を修得して受験資格を得たのち、年に1回行われる「柔道整復師国家試験」を受験して合格すれば、資格を取得することができます。

合格率:65.8%
※参照:2019年(平成31年3月3日(日)に実施)
厚生労働省「第27回柔道整復師国家試験の合格発表について」

あん摩マッサージ指圧師

手、指などを用いて血行を良くしたり、こりをほぐしたりするあん摩マッサージ指圧師として働くために必要な国家資格。
肩こりや腰痛、頭痛を和らげるなど、身体の不調の改善を図ることができ、スポーツ業界だけでなく、一般社会においても需要のある職業です。
高校卒業後、国が指定した学校か養成施設に入学し、3年以上専門知識や技能を修得して受験資格を得たのち、年に1回行われる「あん摩マッサージ指圧師国家試験」を受験して合格すれば、資格を取得することができます。

合格率:76.4%
※参照:2019年(平成28年2月27日(土)及び28日(日)に実施)
厚生労働省「第27回あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師国家試験の合格発表について」

はり師

体のツボを金属針で刺激することで自然治癒力を高める、伝統的な東洋医学に基づく治療を行うはり師として働くために必要な国家資格です。
生活習慣病や事故後の後遺症などに有効かつ、副作用が少ない治療法としてニーズがあります。
高校卒業後、国が指定した学校か養成施設に入学し、3年以上専門知識や技能を修得して受験資格を得たのち、年に1回行われる「はり師国家試験」を受験して合格すれば、資格を取得することができます。

合格率:78.5%
※参照:2019年(平成28年2月27日(土)及び28日(日)に実施)
厚生労働省「第27回あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師国家試験の合格発表について」

きゅう師

体の表面にもぐさを置いて燃やし、その熱刺激によって治療する漢方療法を行うきゅう師として働くために必要な国家資格です。
生活習慣病や事故後の後遺症などに有効かつ、副作用が少ない治療法としてニーズがあります。
高校卒業後、国が指定した学校か養成施設に入学し、3年以上専門知識や技能を修得して受験資格を得たのち、年に1回行われる「きゅう師国家試験」を受験して合格すれば、資格を取得することができます。

合格率:86.8%
※参照:2019年(平成28年2月27日(土)及び28日(日)に実施)
厚生労働省「第27回あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師国家試験の合格発表について」

理学療法士

病気やケガのために不自由になった患者の基本的な運動機能を回復させる、理学療法士として働くために必要な国家資格です。
医師の指導の下、歩行や車椅子の訓練、治療体操などの運動療法、電気療法、マッサージ療法などを行います。
高校卒業後、国が指定した学校か養成施設に入学し、3年以上専門知識や技能を修得して受験資格を得たのち、年に1回行われる「理学療法士国家試験」を受験して合格すれば、資格を取得することができます。

合格率:85.8%(うち新卒者92.8%)
※参照:2019年(平成31年2月24日(日)及び2月25日(月)に実施)
厚生労働省「第54回理学療法士国家試験及び第51回作業療法士国家試験の合格発表について」

まとめ

スポーツトレーナーに必要な資格はありませんが、優秀なスポーツトレーナーを目指すならば、これらの資格を取得することは必須と言えるでしょう。
とくに医療系の国家資格は、選手の怪我やマッサージなどに対応する際になくてはならない資格となります。
一流のスポーツトレーナーを目指している方はぜひ取得しましょう。

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